神経科

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神経科

“なんとなくいつもと違う様子”が初期症状であることも多く、血液検査やX線検査だけでは診断が難しい事があるのが神経疾患の特徴です。

診察では症状や経過を伺いながら、考えられる疾患を丁寧に一つ一つ確認していくことが必要となります。

血液の病気や整形学的な疾患を除外した上でさらに詳しく脳や脊髄等を調べる必要があると判断される場合には、大学病院等での精密検査(MRI、脳脊髄液検査等)をおすすめさせていただきます。

 

<こんな症状はありませんか?>

・発作を起こした

・歩けない、足に力が入らない

・どこかを痛がる

・音に反応しない

・物にぶつかる

・同じところをぐるぐる歩く

・目が回っている(眼振)

・頭が傾いている

・口の片側から涎が出る

・目を閉じられない

 

<こんな検査をします>

・神経学的検査

・X線検査

・血液検査

・超音波検査

・±MRI、CT、筋電図検査(専門病院をご紹介させていただきます)

 

<代表的な疾患>

「特発生てんかん」

症状→てんかん発作

診断→神経検査、血液検査・CT・MRI

治療→抗てんかん薬

 

「てんかん」は大きく2つにわけられます。

①脳の組織に問題があっておこる場合(症候性てんかん:脳炎、脳腫瘍、外傷等)

②脳に問題はなくても起きてしまう場合(特発生てんかん)

また、発作の型(症状)によって

ⅰ:焦点性発作→体の一部分に症状が出る(足がピクピク動く、飛んでいる虫を口で捉えようとするような動きをする等)

ⅱ:全般発作→意識レベルが低下もしくは消失する全身性のひきつけ

にわけられます。

特発生てんかんの治療は、飲み薬(抗てんかん薬)で発作をコントロールする方法が一般的です。

抗てんかん薬は、持続的に飲み続ける事で発作を起きにくくする効果を発揮します。そのためお薬をはじめて発作を起こさなくなっても、残念ながら治ったわけではありません。

一度発作を起こすと脳は大きなダメージを受けますので、途中でお薬をやめてしまうことはせずに適切な投薬を心がけましょう。

お薬の種類や量は発作の頻度によって調節します。

 

「水頭症」

脳は脳脊髄液という液体と頭蓋骨に囲まれて守られています。

この本来脳を守ってくれる脳脊髄液が、なんらかの原因で増え過ぎて脳を圧迫すると様々な神経症状を出してしまいます。

これが水頭症です。

脳室のサイズの評価方法は定められていますが、脳室が大きいからといって治療がすぐ必要かには必ずしも直結せず、日常生活には問題がない事もあります。

 

「脳炎」

脳で炎症が起こり、その炎症部位によって様々な神経症状が発現する疾患です。
脳の表面を覆う髄膜に炎症が発生した場合は髄膜炎や髄膜脳炎と呼ばれます。

脳炎は、その原因によって感染性と非感染性(特発性、免疫介在性とよばれることもあります)さらに2次性(他の疾患に続発して起こるもの)の3つに分類されます。
犬の場合は感染性の脳炎よりも非感染性の発生が多く、猫では感染性脳炎が多い傾向があります。

非感染性脳炎の大部分は、“起源不明の髄膜脳脊髄炎(MUO:meningoencephalomyelititis of unknown origin)”です。
MUOには肉芽腫性髄膜脳脊髄炎(GME)、壊死性髄膜脳炎(NME:以前はパグ脳炎とも言われていた疾患です)、壊死性白質脳炎(NLE)が含まれます。
小型犬、特にチワワやマルチーズ、ヨークシャーテリアでの発生が多く認められます。
MUOの発生原因は完全には解明されていないのですが、好発犬種が存在する点と、多くの症例において免疫抑制治療によって症状の改善が認められるという点から、遺伝性の自己免疫性疾患であることが示唆されています。
その他の非感染性脳炎には、ステロイド反応性髄膜脳脊髄炎(SRMA)、好酸球性脳脊髄炎(EosME)、特発性振戦症候群があります。

感染性脳炎の原因には細菌、寄生虫(トキソプラズマなど)、ウイル ス(犬ジステンパーウイルス、猫免疫不全症ウイルス、猫伝染性腹膜炎ウイルスなど)、真菌(クリプトコッカスなど)などがなりえます。

2次性脳炎の原因としては、口腔内や鼻腔、耳からの炎症や感染の波及、脳腫瘍、脳梗塞、頭部外傷などが挙げられます。

 

「脳腫瘍」

動物にも脳に腫瘍ができてしまう事があります。
認められる症状は腫瘍の発生部位によって様々です。
原発性と続発性(鼻腔内腫瘍の頭蓋内浸潤や別の部位での腫瘍の脳転移)とに大別されます。

内科療法だけでの症状改善は困難である場合がほとんどです。
手術が適応であるか、放射線療法が適しているか等については精査(MRI、CT、脳脊髄液検査)が必要です。
しかし精密検査には麻酔が必要である事がほとんどであるため、当院では早期に精密検査が実施できるよう症状に適した内科療法を実施し、患者様の状態をできるだけ良好に維持して検査に臨めるよう対応してまいります。

 

「椎間板ヘルニア」

椎間板ヘルニアとは、脊椎と呼ばれる背骨の骨と骨の間にあるクッション(椎間板物質)の一部が飛び出してしまい、脊髄を圧迫して首や背中の痛み、しびれ、四肢の麻痺などが起こる疾患です。

椎間板物質は中にゼリーの入ったマシュマロのような構造をしていて、ゼリー(椎間板髄核)が飛び出して脊髄に障害を与えてしまうハンセンⅠ型と、外側のマシュマロ(椎間板線維輪)が硬くなってつぶれて変形し、脊髄を圧迫する事で障害が出るハンセンⅡ型に大別されます。

ハンセンⅠ型:変性した椎間板髄核が脊柱管内に脱出する事で起こる脊髄の障害。
障害の程度は髄核の脱出速度による衝撃、脱出した髄核の量、脊髄圧迫の時間が関連するとされています。
軟骨異栄養犬種とされるミニチュアダックスフント、ビーグル、シーズー等に多く認められ、症例の多くが急性発症を示します。

ハンセンⅡ型:加齢とともに肥厚した椎間板線維輪が脊柱管内に突出する事で脊髄が圧迫されて障害が生じます。高齢のすべての犬種で認められる可能性があり、慢性進行性の悪化(疼痛、しびれ、麻痺)が認められます。

症状が軽度な場合は、内科療法(鍼治療、レーザー照射を含)と安静で経過観察を行います。
しかし、起立困難や排尿障害、足の痛覚が低下もしくは消失している場合には多くの症例において外科手術が適応となります。
手術には病変部位を特定するため脊髄造影やCT、 MRIが必要になります。

手術後には良好な機能回復のために適切なリハビリテーションを組み合わせて行う事をおすすめしています。

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