去勢手術・避妊手術をはじめとした一般外科手術を行っております。
不妊手術は望まれない妊娠を防止するだけでなく、様々なベネフィットがあります。
去勢手術ではホルモンに関連した疾患(前立腺疾患、会陰ヘルニア、精巣腫瘍など)の発生率を下げたり、攻撃性やマーキング行為などが落ち着いたりする可能性があります。
雌ではホルモンに関連する疾患(乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍など)の発生率を低下させ、偽妊娠や発情行動によるトラブルの改善につながります。2回目の発情までに避妊手術を行う事でホルモン関連疾患に対する予防効果が高いとされています。
<代表的な疾患>
「子宮蓄膿症」
細菌感染により子宮に膿が充満する病気です。
高齢の未経産犬や長く繁殖を行っていない犬に多く発生します。
陰部からの排膿があるか否かで開放性と閉鎖性とに分けられ、閉鎖性の方が症状は重度である事が多いです。
症状としては元気・食欲の低下、多飲多尿、嘔吐、腹囲膨満が多くみられます。
全身症状を示すものは死に至る可能性もある怖い病気です。外科手術が第1選択となります。
⭐️必要な検査
・血液検査
・X線検査
・超音波検査
⭐️治療法
・外科手術(卵巣・子宮摘出手術)
「乳腺腫瘍」
中高齢の未避妊雌において好発する腫瘍です。
犬の場合、良性と悪性の比率は1:1と言われています。
しかし、腫瘍のサイズや犬種、発生年齢により変動し、また、良性のものでも悪性転化を起こしえます。
乳腺腫瘍の発生にはホルモンが関連しており、初回発情までに手術を行った犬の乳腺腫瘍の発生率は避妊手術を受けていない雌犬の0.5%、2回目の発情までに手術を行った犬では8%、2回目以降では26%となります。
また、猫の乳腺腫瘍の80-90%は悪性であると言われています。
猫でも生後1年以内に避妊手術を実施すると有意に乳腺腫瘍の発生率が低下することが知られています。
犬において、小さい腫瘤では根治率が高いため早期の外科手術が好ましいと考えられています。リンパ節浸潤や遠隔転移などで予後が変わるため、しこりを見つけたら早期に受診しましょう。
⭐️必要な検査
・触診
・細胞診、病理(炎症性乳癌やその他の腫瘍の除外)
⭐️治療法
・外科手術
・化学療法(抗がん剤)